CEOインタビュー Cloudinary

Itai Lahan

大量の画像や動画を扱うサイト向けの編集・管理・配信サービス

Cloudinaryはさまざまなデバイス向けに画像や動画の自動的なレスポンシブ対応や最適化、CDN配信、AIによる資産管理を行うSaaSだ。端末を認識して自動的に画質変換やサイズ、比率を変換してくれる。またURLを変えるだけで画像のクロップやオーバレイなどの編集ができる。海外のeコマースサイトで採用が相次ぎ、国内での導入も進んでいる。同社のCEO、Itai Lahan氏(写真中央)に話を聞いた。

自分たちが使いたいツールを開発して起業

―Cloudinaryを起業したときのことを教えてください。

 2011年、友人Tal Lev-AmiとNadav Sofermanの3人はコンサルタント会社で働いていました。イスラエルの起業家たちを支援する仕事をしていたのですが、そういったスタートアップの多くはWebやモバイルのソリューション開発会社でした。その中で、当時欠けていたものがありました。メディア向けのソリューションです。Webサイトには画像や動画がたくさん使われています。気に入っているショッピングサイトで何かを買おうとすれば、製品の画像がずらりと表示されます。ニュースを読む場合も画像を見ることになります。ふだん目にするソーシャルのWebサイト、FacebookやTwitter、Instagramなどにも写真などのメディアがたくさん置かれていて、ユーザーエクスペリエンスの向上に重要な役割を果たしています。

 その裏側で何が起きているか。読者は知る必要はないのですが、画像や動画が撮影された時点から、それらがエンドユーザーの目に実際に触れるまでの工程にはたくさんの作業が行われています。そうしたデータを異なるプラットフォームを経由して、異なるスクリーンに表示しています。この工程の中ではデータの見栄えをよくする作業も行われています。以前はこの全工程を管理するための良いソリューションがありませんでした。そこで開発者でもある私たちは、自分たちが本当に使いたいソリューションを作ることにしたのです。これがCloudinaryの発端でした。

Cloudinaryは画像と動画をSaas側で編集・管理・配信するサービス。URL指定だけでレスポンシブ対応や画質変換・クロップ・オーバレイなどができる

メディア資産を管理し送信時に最適化

―Cloudinaryを簡単に説明していただけますか。

 画像などのデータを、作られたときからエンドユーザーに届けるまでの全行程にわたって管理することができます。その中には、データを他のWebサイトなどに配信するときなどに必要なあらゆることを含みます。例を挙げると、マーケディングの担当者がWebサイトにマーケティング用の資料を追加しようと思い、ワークフローも管理したいと考えたとします。さらに後でそのデータを再利用できるようにきちんと安全にストアされたことを確認したいでしょう。ユーザーがアップロードした写真など、いわゆるユーザー生成型コンテンツ(UGC)を使っているかもしれません。場合によってはそうしたUGCをチェックする必要もあるでしょう。内容が適切であることを確認して問題がなければ、ようやくそれをサイトに追加できます。

 サードパーティーから配信されるメディアもあるでしょう。例えばeコマースサイトなら他社と協業していることが普通で、サードパーティーのサイトから写真をもらってきます。そうしたメディアのストリームを必要としている場合、それをサイトに流す手間は非常に大きいでしょう。

 Cloudinaryはこうした内外のメディア資産(アセット)全てを、確実に一元管理できるようにします。組織全体がそのアセットに安全にアクセスできるようになるので、あとはそれを再利用すればよいのです。

 メディアが1カ所にあれば、Cloudinaryを使ってデータを取り出す際に、エンドユーザーに適した形に変えることができます。つまり写真をパーソナライズしたり美しくクロップしたりできます。そしてさまざまなデバイスに適した形にメディアを変換することもできます。さらに最適化してから配信できます。つまり美しい形にして、しかも非常に高速に配信できるのです。

 さて、私たちが早い段階で行ったことの1つはAPIの開発でした。これは自動化とスケール、プラットフォームの安定性のためです。私たちは、お客様のために何百億ものメディアをリアルタイムで管理しており、メディアをパーソナライズできるようリアルタイムに変換しています。

 当初からこの編集作業のためのUIの改善に関心を払い、シンプルなUIで画像を見られるようにしました。ご存じのようにeコマースサイトでは何億もの大量の画像を扱います。大量の画像を扱う際に、システムに入ってくるものが一目で分かるのは便利です。そこで私たちは単純なグラフィックユーザーインターフェースを作りましたが、私たちのサービスを使っている開発者が「これを使うと、画像をサイトにすぐ表示させることができるよ」といって、マーケティング部門にシェアしていることに気づきました。

 当時私たちは開発者からたくさん質問を受けましたし、マーケティング部門が使えるような良いツールも提供してもらいました。そして、インタラクティブなデジタルメディアの管理を可能にするために、デジタルアセット管理機能を追加することにしたのです。このソリューションによって、マーケティング部門や他の部門、コンテンツ編集者はインタラクティブにメディアを管理できるようになります。そしてOpsとサイト開発を一体化することで、開発者もたくさんのことを行えるようになります。

企業を横断したメディア資産共有

―企業は実際にどのような使い方をしていますか?

 ある企業は動画のプレースホルダーも用意していて、写真の代わりにモデルが動き回るのを見られます。写真より動画の管理やクロップは複雑ですがこれもCloudinaryで管理されています。さらにある企業は非常に有名な携帯アプリを持っています。その最新版もCloudinaryを使っています。eコマースで使われているだけでなく、彼らは自社のコンテンツ管理システムで、ブログやコンテンツを書く際にもCloudinaryを使い始めています。メディアの管理だけでなく、マーケティング部門、コンテンツ管理ソリューション、チーム、製品Webサイト、eコマース、モバイルアプリケーション、Web開発者、モバイル開発者も、以前は利用できなかったさまざまな機能を利用できます。

 別のeコマースサイトでは、携帯アプリに私たちの技術を使っています。ユーザーが写真をアップロードしたり自分の行動を記録したりするために使うもので、たくさんのユーザー生成コンテンツを生み出せます。非常に多くの異なったフローがあり、eコマースサイトと比べて大規模なものです。顧客向けのマーケティング用のコンテンツと顧客自身が作ったコンテンツの両方があるのです。私たちはこのサイトを単一のソリューションでサポートしています。eコマースサイトではあるけれど、モバイルアプリと製品リストを表示するサイトがあって、全て一緒に、1カ所で動いているのです。

 新聞、雑誌、写真編集のようなメディア関連企業では、写真を撮る人たちが手作業で写真を切り取ってストーリーに収める必要があり、それを編集長に渡します。Cloudinaryを使うと全て自動化できます。つまり写真からストーリーへのプロセス全体を自動化でき、ライターと編集者は執筆と編集に集中できます。彼らは、「私が書いているストーリーと一緒に見せたいものを正確に関連付けるには、この写真をどのようにトリミングするのか」という心配する必要はありません。非常に簡単に早く公開できます。

 CloudinaryのUSオフィス

 私たちのユーザーには自動車会社もあります。彼らは全ブランド資産をディーラーと共有したいと思っていますが、自社の資産を常に更新し続けている場合、自社の従業員だけでなく、第三者とどう共有したらよいかと考えていました。そこで、別々のディーラーと全てのアセットを適切に管理するためにCloudinaryが使われています。企業グループには、ディストリビューターやディーラーと一緒にデジタルアセットを利用したいという要望がありますが、Cloudinaryを使えばたやすく対応できるようになります。最近この市場に注目しているのですが「市場投入までの時間が短縮できるね!」と言われるようになりました。みなさんのパートナーも簡単に導入・利用できると思います。

Cloudinary製品情報